実家に帰省して数日。
生まれ育った町の近隣は、港が開けた頃からの名残で、古い建物が建ち並び、どこかクラシックな気分へと誘われます。
時代を超越した建築や、読み継がれる文学、映画や音楽など、タイムレスなものが好きです。
洋服もどちらかというと、トラッドなものに惹かれます。
元々、ファッションの仕事をしていました。
かつて、作り手でありながら、自分には分不相応な洋服にいつしか嫌気がさし、大量の洋服を手放しました。
特にミニマリストではありませんが、この時ばかりはミース・ファン・デル・ローエのLess is more(少ないことはより豊かなこと)を実感しました。
現場では、下着から重衣料まで、ランチ代のような価格帯から、ひと月のお給料が吹き飛びそうになるくらいの価格帯まで、様々なアイテムを作り、洋服の構造をそれなりに学びました。
その後私が選んだ先は、更なる高みを目指してよりハイレベルなファッションへの挑戦ではなく、これまで得た知識の中から自分のライフスタイルに合ったものを取捨選択することでした。
特段、センスが良いわけではありませんが、自分が居心地良くなる服を選ぶにはどうしたら良いか?ということが、ものづくりを経て鮮明になったという感じかもしれません。
高い安いではなく、流行でもなく、やはり自分のライフスタイルとその服を着こなす技量のようなものが自分に合っているかというのが大事な気がします。
職場で、1人とても着こなしが上手な子がいました。
彼女は自分のスタイルを身にまとっているタイプの人でした。
パリ帰りの彼女はニットを専門としていたこともあり、糸への造詣も深く、色んなことを良く知っていました。
服を良く見せるだけの技量があり、目には見えない雰囲気の身にまとい方や、自分に似合うものをさりげなく着こなしてしまう佇まいはとても素敵でした。
あの人といえば、あの色、あのスタイルだよね!のように、自分に似合うテイストを知り、目新しいものを取り込むというより、自分らしい装いを楽しむ、お気に入りの洋服をできるだけ長く大切に着るを続けていけたらなと思います。
以上、お正月の戯言でした。笑
コメント